お金の管理に関する本は数多くありますが、デイブ・ラムジーの『The Total Money Makeover』は、借金をなくし、資産を築き、最終的に経済的自由を手に入れるための実践的なフレームワークを提供する一冊です。
「借金ゼロ?そんなの当たり前だろ」と思うかもしれませんが、実は現代の消費社会ではそれが難しい。ローン、クレジットカード、サブスクリプション……見えない借金がどんどん積み重なっています。本書では、それを徹底的に排除し、シンプルな財務管理を目指します。
今回は、その7つのステップを日本の状況に合わせて解説しながら、エクストリームミニマリストとしてどのように活かせるかも考えていきます。
7つのベビーステップ
1. 緊急資金の確保(まずは10万円)
まずは「お金がない!」と焦らないための安全ネットを用意。10万円($1,000)の緊急資金を確保します。これは、突発的な出費(医療費、家電の修理、車のトラブルなど)に対応するための最低限の資金です。
10万円で足りるのか?
生活費や物価を考えると、10万円では足りないと感じる人も多いかもしれません。とはいえ、ここで重要なのは「まず貯めること」。借金まみれのまま「もっと貯めよう」としても意味がありません。
2. 借金の雪だるま返済法(Debt Snowball)
すべての借金をリストアップし、金額が小さいものから順に返済していく方法。利息が高いものからではなく、金額ベースで返済するのがポイントです。
なぜ金利ではなく金額ベースなのか?
- 小さな成功体験を積むことでモチベーションを維持しやすい。
- ひとつの借金を完済することで心理的な達成感を得られる。
「とにかく借金をなくす」ことを最優先にし、クレジットカードのリボ払いやローンを早急に手放しましょう。クレカを使うことが「普通」になっている人は、そもそも金銭感覚を疑うべきかもしれません。
3. 完全な緊急資金の確保(3~6か月分の生活費)
ベビーステップ1で確保した10万円とは別に、3~6か月分の生活費を貯めるフェーズ。
「え、そんなに貯めるの?」「3か月分っていくら?」と思うかもしれませんが、これは最悪のケースに備えるためのもの。フリーランスや個人事業主なら、なおさら重要です。
4. 収入の15%を投資
借金がなくなり、生活費の貯蓄ができたら、次は投資。日本ではiDeCoやつみたてNISAが該当します。
- iDeCo(個人型確定拠出年金): 老後資金のための積立。税控除あり。
- つみたてNISA: 投資利益が非課税になる長期投資向け制度。
「お金を貯めるだけでは資産は増えない」というのはミニマリストとしても共感できるポイント。投資は未来の自分への最大のプレゼントです。
5. 子どもの教育資金を貯蓄
日本では「学資保険」が教育資金の貯蓄手段として活用できます。(ジュニアNISAもありましたが2023年末に廃止)子どもがいるなら計画的に準備を。ただし、大学に行くことが本当に正解なのか?という視点も忘れずに。
6. 住宅ローンの早期返済
「賃貸と持ち家、どっちが正解?」
答えは、ライフスタイル次第。ただし、「持ち家なら資産になる」と思っている人は要注意。固定資産税、修繕費、売却リスク……本当にトータルで得かどうかは慎重に考えるべきです。
7. 富の構築と寄付
借金がなく、資産が増えたら、社会貢献や寄付を行うフェーズへ。「金持ちになったら寄付しよう」ではなく、余裕ができた時点で社会に還元する意識を持つことが大切です。
デイブ・ラムジー流 vs. 現代のキャッシュレス社会
「現金主義を徹底しろ!」というのが本書の主張ですが、今の時代にそれが正解かは疑問。クレカを一切使わずに生きるのは非現実的です。
ミニマリスト的視点で考えるなら?
- 無駄なサブスクを解約 → 「いつか使うかも」は不要
- クレカは全額一括払いを厳守 → リボ払いは論外
- キャッシュレスは管理できるならOK → 家計簿アプリ活用
まとめ
『The Total Money Makeover』の7つのベビーステップは、借金ゼロ・資産形成・経済的自由へのロードマップを提供してくれる実践的な手法です。
- 借金をなくし、現金主義を徹底
- 緊急資金を確保し、生活費を賄える状態にする
- 資産形成を進め、最終的には自由なライフスタイルを手に入れる
ミニマリストとしても「本当に必要なものにお金を使う」「計画的に資産を築く」という視点が重要。本書のメソッドを活用しながら、より自由な生き方を目指しましょう。
「借金とは何か?」「お金とは何か?」をもう一度考え直し、余計なモノ・負債・ストレスを削ぎ落とすことこそ、究極のエクストリームミニマリズムかもしれません。
お知らせ
📺️ YouTube
・ミニマリスト生活を配信中。
・メンバー限定でライブ配信や特典を提供する「Tokimaru Members」を運営しています。
→ 視聴する
📩 Newsletter
・深い考察やブログでは書けない内容を毎週お届け。
→ 登録する
✏️ note
・写真や映像制作、ミニマリズムに関する記事を執筆。
・メンバーシップ「Tokimaru Circle」で制作の裏側や実践的なヒントを共有。
→ 記事を読む