ものを買わずに節約することだけがミニマリズムではない。しかし少ない物で暮らすこと、生活にミニマリズムを適用する事は節約につながる。
この記事では、少ないもので暮らしながら節約する技術を9つ紹介する。
1,ベーシックアイテム以外のすべてを排除する。
最初から自分に必要なものを見極めるのではなく、まず不要なものを外していくことが大事だ。その基準となるのが、ベーシックアイテム。例えば何か趣味をやっていて、その趣味を極めていくと、より高度で高価で機能的なアイテムが欲しくなるかもしれない。時には初心者の頃は買わなかったような奇をてらったアイテムにトライすることもあるだろう。しかし、そのような例外的アイテムは次第に使わなくなることが多い。最後に残るのはベーシックなアイテム。長く使えるものは、既にあなたが持っているものか、一番最初に買ったものかもしれない。
衣類やキッチンやリビング、趣味の道具、あらゆるジャンルにおいてベーシックなアイテムを見直してみよう。そして基礎アイテム以外の使用頻度の少ないアイテムは外していこう。
2,量よりも質を優先する
たくさんの物を買うよりも、良い物を少なく持つ。これはよく言われることだ。ものだけでなく、食事にも適応できる。量ではなくその質が健康を左右する。健康になるためにはむしろ量を減らしたほうが良い場合もある。
服もそうで、良いコートを一着買えば長く使える。長く使うものには愛着が湧くので、修理しながらより長く使うようになる。最近はファストファッションの台頭で、1年で全てを捨てて、また新たなものを買う人が増えたと思う。質が良いものは高価なことが多い。初期費用は高くなるが、投資と思って品質の高いモノを買えば、長持ちして、結果的には節約できる。
3,「One in, One out」の法則を適応する
新しいアイテムを一つ買う時は、古いアイテムを一つ手放す。これをワンイン・ワンアウトと言う。この法則も、衣類やキッチンや趣味的道具など全てのジャンルに適応できる。
僕は生粋のデニム好きで(今はワードローブに含めていないけど)デニムを使い古しては、また同じデニムを買って育てていく、ということをよくやってきた。同時に同じデニムを2つ持つことはなく、一つがどうしようもなく、着られないほどに汚れたり破れたりするまで履き込む。その過程が楽しい。その過程こそがデニムだとすら思う。そして新たなデニムを迎える時は嬉しさと悲しさが交じる。
このワンイン・ワンアウトを行うと、無駄な買い物が自然と減る。壊れそうになってから、あるいは壊れてから買うので、何を買うか迷うこともない。また、買うものが自ずと決まっているので衝動買いも減ってくる。
4,サブスクを減らす
デジタルサービスが増えて、サブスクリプションは気づかないうちに財布を蝕んでいる。サブスクしていることは見えないので、それに気づかないことも多い。音楽、映像、クラウドストレージサービス、毎月使っていればウーバーなどの食事配達サービスもサブスクと言えるだろう。
倹約的なミニマリストになるなら、このようなサブスクを定期的に見直して、無くても生きられないかを考えてみよう。複数の映像ストリーミングサービスに入っているなら、一つにできないかを検討する。どうしても見たい作品があるのなら、それを見た後は一度解約して、使わないまま生活してみる。また必要になったら契約する、というように課金タイミングを先延ばしにするだけでも、出費を防ぐことができる。
定期購読は月間ではなく、年間で計算してみるのも、どれだけ多くの額を使っているのか実感できるのでおすすめだ。モノより情報、の世の中ではあるけれど、情報を食べすぎて不健康にならないように。
5,不用品の整理と売却をする
売るものはもう無い、とはっきり言えるエクストリームミニマリスト以外は、まだなんらかの価値あるものが、クローゼットやガレージに眠っているはずだ。
ミニマリストになるためには、まず売れるものをどんどん手放していくのが手っ取り早い。売るのは確かに面倒だが、週末を使って行えば、2日でスッキリできるはずだ。おまけに、売上金もついてくる。これは小さい場合もあるけどバカにしてはいけない。
売って得たお金が重要なのではなく、売ってできたスペース、掃除の手間、メンテナンスの手間、そのようなものが積み重なり、売上金以上の価値を生んでいることがある。
もしあなたのガレージに置きっぱなしだった家具や本や道具も、売らなければそのまま放置されて何の意味も成さないが、売ることによって、必要な誰かの役に立つことになる。そう、売却することはあなた自身のためだけでなく、誰かのために、大きく言えば社会に貢献することにもなるということ。
6,外食を制限し、食生活をシンプル化
食生活のシンプル化は、自炊をすると言い換えてもいい。僕は全て自炊ではなく、外食とのハイブリッドにしている。手間をかけない部分はかけずに、自炊も入れて健康になりながら節約もするというスタイル。
加工されていない食品をそのまま食べることの喜び。自分で味付けを選べることの素晴らしさ。そういうものが自炊にはある。コストを削減できるだけでなく、自分で作ったほうがうまいし、健康的なものになる。(たまに破壊的で罪なものを作ってしまうこともあるが)
自炊もなるべくシンプルにしておく。というか、手間をかけないからどんどんシンプルになっていく。玄米と味噌汁と納豆になってもう随分経つ。たまに卵や魚をもう一品添えたりする。玄米の分量もその時の体調によって細かく調整する。
豪勢な食事や、旅行から戻ってくると、しばらく家に籠もり「回復食」と名付けたものを食べる。それが日常的に食べてる、玄米、味噌汁、納豆。ここに戻るともはや実家と同然であり、体力や精神のバランスが整う。先に述べたベーシックアイテムの食版と言えるかもしれない。
外でしか食べられないものもあるので、そこは割り切って、楽しんでいる。
プロセス簡略化のために、コーヒーをネスカフェにしている。しかしこれは効率化というよりもネスカフェを何かの象徴のように楽しんでいるところがある。気づいたらそうなっていた。コスト的にはコーヒーショップのコーヒーや、ドリップコーヒーよりも圧倒的に安価なのは言うまでもない。
7,ライフスタイルのインフレを抑える
倹約的な生活を維持するための重要な戦略の一つが、ライフスタイルのインフレを抑えること。
最近は物価の高騰が目立つ。野菜も家も衣類も高くなった。物価は世界情勢や為替など様々な外的要因によって決定されるが、自分の生活コストは自分で決定できる。
つまり、ライフスタイルをインフレさせているのは自分であるということ。まずはこの事実に気づかなければならない。人はより多くの金を稼ぐにつれて、家や車やワードローブをアップグレードしなければならないと感じる。昔からそのように様々なメディアや環境によって刷り込まれてきたからだ。
倹約的なミニマリストはそのようなインフレに抵抗する。収入が増えても生活レベルを一切上げない。これは少しむずかしいし、トレーニングが必要だ。しかし慣れてくれば楽しくなってくる。年収が500万なら100万で暮らす。年収が1000万に上がっても100万で暮らす。そうすれば生活は不便どころか、精神共々どんどん自由になっていく。
外部からの圧力は気にせず、自分の生活に本当に必要なものだけにフォーカスする。そして余剰資金を貯蓄や投資に振り向ける。そうすることでますます安定し、自由になっていくはずだ。
8,リストで買い物をする
過去に、スーパーで買い物のための専用リストを作っているという話しをした。今でも継続している。この買い物リストには例外的なものが入ることはなく、いつも同じラインナップで、TODOリストのようにチェックマーク式になっている。在庫がなくなったらチェックを入れて、買ったらチェックを外す。ただこれだけ。
食料品店だけでなく、他の店に買い物に行くときも、買うものをリスト化しておくと、無駄な買い物をせずに住む。
リストを作って買い物に行くことは、地味で面倒なことだ。しかし効果は大きい。やったことが無い人はぜひ試してみて欲しい。
9,DIY をなるべく行う
使っているパンツのポケットが破れたけど、修理せずに今も使い続けている。これを自分で修理できたらどれだけいいだろうと思う。修理せずとも支障が無いから、使い続けているわけど、買った当時の機能性はなくなってしまった。
家具や家電でも自分で直す人がいる。それが好きな人はとことんそうすればいいと思う。楽しみも兼ねながら、倹約的に生きられる。
しかし、DIYが嫌いな人や苦手な人は、他の人やサービスに頼ったほうが早くて安全で楽な場合も多い。特に家の設備で電気系や水道系。これらは、特定の免許を持った人でないとできない部分もあったりする。自分で見てもわからないようなところは、さっさと職人さんに頼ったほうがいい。配管や屋根などのトラブルもそう。
DIYをなるべく行うが、アウトソーシングできるところは外に頼る。お金はかかるが、それが修理時間や悩む時間の短縮になり、総合的には安上がり、になることも多い。
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