新たな場所に移動して今日もまた新しい写真が撮れる事実は素晴らしい。つまり写真は撮っていて一生飽きることがない。飽きることができない。それは動く身体と変化する風景という二重の意味で散歩に近い。散歩には飽きる飽きないの概念がない。ただし、退屈はする。写真もそれは同じ。
写真に飽きた時はその飽きた内容を見極める必要がある。
私は写真に飽きているのか、このカメラに飽きているのか、それともこの生活に飽きているのか。自分に問う。するとそれは写真に対する飽きではないことがわかる。
一度飽きたと思って写真を辞め、例えばサーフィンを趣味にしたなら、サーフィンにカメラを持っていく。辞めたはずなのにとりあえずカメラを荷物に入れておく。すると、写真は自動的に始まる。それも以前よりも面白いかたちで。